歯科技工士という職業は皆さんご存じだと思います。
歯科医師や歯科衛生士のように表立って治療の一線に登場する機会は少ないですが、
歯科技工士さんがいないと、歯科治療は成り立ちません。
差し歯も入れ歯もインプラントも矯正器具も、すべて歯科技工士さんが作ってくれる
のですが、近年その歯科技工士さんが激減しています。
今日はそんな記事を紹介します。
入れ歯を作れない時代に?「3カ月待ち」 歯科技工士なり手不足&高齢化
7/22(火) 12:24配信
多くの人が受けたことがある歯の治療。それを支えている歯科技工士がピンチに陥っています。入れ歯などを作る仕事の担い手が激減しています。
「3カ月待ち」技工士不足
東京・中央区で歯科技工所を営む都筑康行さん(61)。この道40年のベテランで、日々、入れ歯や歯の詰め物を作っています。 つづデンタルサポート 都筑康行代表 「周りの酸化物を取るために、ガラスビーズとかで処理をします」 この日は銀歯を作っていました。特殊なケースの中で不純物を取り除くと、黒かった金属が銀色に。 こうした歯科医療の一端を担う歯科技工士ですが、今“最大のピンチ”に直面しています。 歯科技工士の人数は2000年の3万7000人から4000人以上減少。一方、50歳以上の割合は20%から54%に激増し、「なり手不足」と「高齢化」が深刻になっています。 都筑代表 「ウハウハで裕福な暮らしをしていれば別ですけど、とてもじゃないけど僕らはどうしようもないと。歯科技工士は本当に絶滅危惧種だと思います」 業界団体が去年行った調査では、歯科技工士の39%が所得「300万円以下」、31%が一日の労働時間が12時間を超えています。28%が「5年後は辞めていると思う」と回答しています。 すでに、歯科医院では入れ歯をすぐには作れない状況となっています。 コンフォート入れ歯クリニック 池田昭歯科医 「(歯科技工士が減って)入れ歯を作るにしても2カ月待つよ、3カ月待つよという順番待ちも生じている」 こうしたなか、危機的状況を救う存在として期待されているのが「3Dプリンター」です。 都筑代表 「(負担は)激減するんじゃないかな」 総入れ歯の場合、これまで2カ月間かかった作業がわずか2、3日で終わるといいます。 それでも細かな調整は、まだまだ人の手による作業が必要。都筑さんは技術の進歩だけではなく、歯科技工士の待遇向上が必須だと訴えます。 都筑代表 「僕ら世代の覚えてきた技術や経験が下に伝えられなくなると、自然と(終わりが)見えてきますよね。それを補えるか分からないが、ITの進歩しかない。(仕事は)本当に楽しくて、楽しいからやっているけれど、実利がない部分は考えないといけない」 (「グッド!モーニング」2025年7月22日放送分より)
テレビ朝日