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現在むし歯治療の後に詰め物として用いられる材料には多種多様なものがありますが、

その中でも、プラスチック、セラミック、金属などが普及しています。

それぞれにメリットやデメリットがありますが、それと同時にこれらにはやはり

耐用年数もあります。

今日はそんな耐用年数が記された記事の紹介をします。

日刊現代ヘルスケア+ 2021年08月14日 の記事です。

以下記事の内容です。

 

かつて治療した「銀歯」は放っておくとトラブルの原因になる

冷たいものを飲むと痛みが…

暑い夏、冷たい飲み物を口に入れるたび、ズキンと奥歯に痛みが走る。気になって歯科医院で診てもらうと、かつて治療した「銀歯」が原因だった――。こんなケースが増えているという。思い当たる人は、銀歯の状態をしっかりチェックしたい。小林歯科医院の小林友貴氏に詳しく聞いた。

 治療はしっかり終わっているからと安心していた銀歯が、年月を経てトラブルを起こすケースは珍しくないという。

「現在、健康保険の適用範囲内で一般的に使われている銀歯は、パラジウム合金という金属です。銀だけでなく、パラジウム、銅、金、亜鉛、スズ、インジウム、イリジウムといったさまざまな金属が含まれています。硬くて強度が高い特徴がありますが、金属なので年月が経過すると唾液などの影響で徐々に溶け出したり、細かな傷がついたり、すり減るなどして劣化していきます。すると、詰め物と歯の間に隙間が生まれ、そこから細菌が入り込む。0.7マイクロメートルの隙間があれば細菌は侵入できるといわれているので十分な隙間です。細菌が侵入するのは銀歯の下で歯ブラシは届きません。それで銀歯の下が虫歯になってしまうのです。そうなると、冷たいものを飲んだときの刺激や、食事をしたときに銀歯が沈んで受ける衝撃によって、痛みが出るようになります」

また、金属が溶けだすことで金属アレルギーを起こす患者もいる。かつて治療した銀歯がさまざまなトラブルのもとになってしまうリスクがあるのだ。

 銀歯そのものだけでなく、詰め物と歯を固定している「接着剤」も隙間ができる原因になる。

「保険適用の範囲内で使われる接着剤は接着力がそれほど高くありません。そのため、そもそも削った歯に詰め物がぴったり合っている患者さんは少ないといえます。また、そうした接着剤は粉剤といって粉末と液体を混ぜて使うタイプがほとんどなので、時間が経つと唾液などの影響で溶けやすく、隙間が生まれてしまいます」

■耐用年数は平均5~7年

 実際、銀歯の色が目立つからと、白いタイプのかぶせ物への変更を希望した患者の銀歯を外してみると、痛みはないのに銀歯の下が虫歯で真っ黒になっていた……というケースは少なくないという。

「保険適用の銀歯の耐用年数は、一般的に平均5~7年程度だといわれています。もちろん個人差があるので20年近く問題ない人もいますが、子供の頃に治療で入れた銀歯がそのままになっている人は、外して虫歯になっていないかどうかを確認し、詰め直すことをおすすめします」

 現在、従来の銀歯のほかに、金属を使用しないレジン(歯科用プラスチック)とセラミックを配合した「ハイブリッドレジン冠」と呼ばれる白いタイプが保険適用になっている。ただ、保険適用になるのは、かぶせ物だけな上、素材に樹脂が含まれているため経年劣化は避けられず、変色しやすいタイプもある。経年劣化やアレルギーが心配な人は、保険適用外になるがセラミック製を検討する手もある。

「セラミックは材質が陶器なので、金属のように腐食して溶け出すことがなく、経年劣化に強いといえます。見た目が白くきれいな上に強度が高く、汚れがつきにくく変色もしにくい素材です。ただ、陶器なので過剰な力がかかると割れてしまうリスクがあります。いくつかある種類の中で、一番強度の高いジルコニアは割れにくいですが、表面を覆っているセラミックが割れる可能性はあります」

 また、セラミック製は自由診療のため高額で、クリニックによってまちまちだが1本10万~20万円前後の費用がかかる。信頼できる歯科医師としっかり相談した上で選択したい。

 いずれにせよ、治療してから長い時間が経った銀歯には注意を払う必要がある。

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