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 乳歯永久歯問わず、歯が生えた直後はエナメル質の結晶構造が粗のため、虫歯のリス

クが高い。

 その後年月を経てエナメル質の結晶構造が密になることで、段々と歯は強くなって

いきます。

そして中高年と呼ばれる年齢になってくると、今度は歯周病や加齢によりハグキが下が

り、エナメル質と象牙質の境が露出してくることがあります。

これが中高年に多い 根面う蝕 と呼ばれるものです。

 

今日はこの根面う蝕の予防記事です。

フッ素の虫歯予防効果は有効 正しい歯磨き・すすぎ方は

 

◆中高年世代に忍び寄る「根面う蝕」リスク

 中高年世代はすでに治療済みの歯が何本もある。それでも「予防歯科」を始める意味はある、ということを説明しておきたい。

 こんな研究がある。日本ヘルスケア歯科学会の岡恒雄氏は、60歳から79歳までの患者を対象に、定期的なメンテナンスを受けた群と、メンテナンスを受けなかった群に分けて、10年間に失った歯の数を検証した。

 60代では、両者にほとんど差はなかったが、70代のメンテナンス群は、1.1本喪失に対して、非メンテナンス群は4.4本と、実に約4倍の差が出た。つまり、中高年世代にとっても、予防歯科は効果を期待できるのだ。ただ、同学会・代表の杉山精一氏は、こんな言い方をする。

「予防歯科という言葉だけが一人歩きしている感があります。予防歯科とは何なのか、という定義づけはされていません。

 虫歯には、食習慣、プラークコントロール、唾液、いろんな要因が絡んでいますから、歯科医と一緒に、どこに要因があるか考えて対応することが大事です」

 歳を重ねることで、新たに生まれるリスクについて知っておきたい。若い時よりも歯が長くなった、と感じることはないだろうか?

 それは、強いブラッシングや加齢によって歯肉が下がってしまったことが原因。本来、歯肉に隠れている歯の根面は「象牙質」なので、虫歯になりやすい。ここが虫歯になることを「根面う蝕」という。

「根面は、pH6.5くらいで脱灰(溶ける)しますので、虫歯ができやすい。対策は、基本的にブラッシングと歯間ブラシ。そして、フッ素入り歯磨き剤で、フッ化物をきちんと供給して、再石灰化を促すことです」(杉山氏)

 フッ素による虫歯予防の有効性は、科学的にも立証されている。ただし、「急性中毒、発がん、ダウン症」等の原因だとして抵抗感を示す人もいるが、因果関係を証明するものはない。

「歯科医でも、フッ素を使うのはよくないと考えている人がいます。でも、フッ素入り歯磨き剤の効果は大きい。もちろん過剰使用はダメで、用法・用量を守れば安全です」(杉山氏)

 歯磨き後は、しっかり口をゆすぐのが常識だったが、現在メーカーでは、フッ素成分を口中に残すために、1回だけ軽くゆすぐように指導している。

 

 

 

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